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2007年9月21日 (金)

かなしいえほん

何号だったかな、「Dolly Dolly」の付録でついていた「おでこちゃんとニッキ」の絵本。「しょうわのおでこちゃん/しょうわのニッキ」発売に合わせて作られたものなのだけれども。
中に、短いお話が3つ入っているのね。私がめそめそ泣いてしまったのはそのさいしょの話です。

多分お年寄りの家の人形だったおでこちゃんとニッキが、主のいなくなった部屋でぽつんと昔のことを思い出していると、昔一緒に遊んだちいさな女の子が迎えにきてくれた、という短い物語。......「あのね、おおきくなった あのこが おむかえにきたんだよ」というのがそのおはなしのおしまいだったな。 

私は迎えに行ってあげられなかった。

三鷹に住んでいた祖母が亡くなった頃、私は乳飲み子を抱えて奮闘中だった。片付けものがたくさんあるから来ない方がいいと父や叔父に言われ、結局祖母が居なくなった後の家には一度も足を踏み入れなかった。祖母の死後1年たって家は壊され、土地はとなりのなんとか会館(忘れた)が買い受けて今はそこの駐車場になってしまっている。
...思い出したのは針金が足に入っている小さなバレリーナの人形のこと。ふんわり広がったチュチュは水色の子とピンクの子がいたんだよね。「ジゼル」の妖精さんみたいに長い裾丈だった。
何度も祖母の部屋で、ガラスの棚からこっそり出して遊んだお気に入りさん。....
何故、あの時思い出してあげられなかったんだろう。でこニキの話を読んで、初めて思い出したよ。家が壊される前に思い出しても結局見つけられなかったかもしれないけれども。
そう言えば祖母からは結局私のところになにも形見は来なかったっけ(荷物になるものの方が多かったからまぁ仕方がなかったのよね)。「もうぼろぼろで直すこともできないくらいだから諦めて」て言われた古い螺鈿細工の碁盤と一緒に、連れ出してあげられなかったワイヤー入りのバレリーナ人形のことは今でも時々思い出しては切なくなります。

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