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2007年9月 9日 (日)

加速度のエチュード

好きだった男の人を思い出すときは雨の風景と対になることが何故か多いです。
かなりハマって追っかけていた某バンド野郎の兄ちゃんは、土砂降りの目黒鹿鳴館前の夜景とセット。
ここでも何回か話した元カレは、早朝、アパートへ向かう途中の住宅街を傘をさして歩いている風景。
ダンナはリアルタイムの人なので「思い出す」という行為自体あまり多くないのですが、乳癌を告知された日の昼、雨が半分上がりかけた中を一緒に駅まで歩いていったときの風景、かな。

雨の曲は山のように存在しますが、私がいちばんに思い出すのがアフター・ディナーの「加速度のエチュード(An Accelerating Etude)」。
実は雨上がりの風景の歌です。こんな感じ(またまた歌詞カードが出てきません。間違いがあったらごめんなさい)

私 ハ
マルデ 水溜マリ ノ ヨウ
貴方ハ 乾イタ 傘ノ ヨウ

フウーッ
目ヲ 瞑ルト
貴方ガ 居ルカラ
眠ッテバカリ 居マシタ

ちょっと謎解きが要るかもしれませんね。
別れ別れになった男女の歌、だと思います。「雨」という共通の要素をなくしてしまったら、傘は用なし、水たまりはひからびて行くしかない........傘のあった雨の風景を思い出しながら。
それで「眠ってばかり居た」という後半の歌詞につながるんでしょう。
曲自体もヴォーカル一本から多重録音に広がり、虫の鳴き声で終わると言う幻想的なもの。
こういう音楽を作った人がこの国に居ることは自慢していいと思う。
聴かないのは一生分の損です。
私は初めてこの曲を聴いた時の大学の学生食堂の風景まできっちり覚えています。一瞬、空気の色が変わったかと思った。.... 

この曲が収録された「Glass Tube」は、当時のインディーズチャートで1位になり、その後「 Editions」というCDにライブ音源と一緒に収められました。
運が良ければ見つかるかも。


追記:


ダメ元でアマゾンに行ってみたら、ありました、「Editions」。
「Glass Tube」の次の作品=「Paradise of Replica」共々、リンク貼っておきます。えらいぞアマゾン。
あ、「Paradise of Replica」の中にはここの別館の名前のもとの「Ironclad Mermaid(=鉄格子の人魚。ほんとの邦題は「赤い靴ユートピア」)」て曲が入ってます。

追記その2:
「Glass Tube」だけでもCD化されてるみたいですね。でも2年前のことなので、中途半端に市場から姿を消してるんでしょう。ま、根気よく探してみてください。

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音楽」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
宮田由紀子さんの音楽っていいですよね。
僕も好きで、記憶に残っています。
昔、確かPARTY DOLLというバンドをやっていたと思います。

はじめまして。コメントありがとうございます。
音楽の記事でコメを貰うのは初めてなのでちょっと緊張(笑)て、ここ、宮田さんではなくアフターディナーの記事ですが。

PARTY DOLLという名前は初めて聞きました。
うううーん、リアルタイムで知っていればなあ。不覚でしたよ。一度生で見てみたかったです。....

カセットブックを買った当初「バスに乗って」で好きだった部分は最後のサビの部分:
幾つか年が増え 欲も増えた私を
明日を見つめながら包んでくれるあなたがいい
でしたが、長い時間生きてみたら微妙に見方が変わったかも。
いま聴いてみて引っかかるのは、そのすぐ前の歌詞:
だけど明日に向かい合えない
忘れたふりして目をそらした
傷つかないうちに「さよなら」言われ
幾夜もひとり 月を濡らす
の方になっているかもです。...

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