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2009年5月14日 (木)

芸術とビジネスと二次創作と量産アート

ああ、長いタイトルになった。

こないだの原宿での展覧会。
基本的にはいまのドールシーンのかなりの部分を見渡せるいい展覧会だったと思います。
ただねえ、今までだったら一緒くたにはならなかったであろう面子が1つの会場に「わさっ」と居る、不思議な場でしたね。主催者がちゃんとついた展覧会なんだけど有志がやってるドールイベントとあまり変わらない顔触れなの。
それがいいのか悪いのかはまだちょっとわからない。そもそも、今は多分、そのへんの線引きがものすごく難しいと思うのよ。
だからあえて一緒に集めたのも想像がつくっていうか。....

撮影禁止だったのは恋月姫さんの作品とブライスを扱ったもの。
理由は全然違う。
恋月姫さんの作品が撮影禁止なのは、絵画の展覧会が撮影禁止なのと理由が同じ。
ブライスの方は、カスタム作品をメーカー側のコントロールがきかない無制限な状態で露出して欲しくないからじゃないかな。1日イベントでディーラーさんが持ち込むような子はもうどうしようもない状態だけど、入場料とって何日も開催する場ではまだメーカー側の「待った」効くし。実際、本の表紙などでブライスを使うのはかなり規制が厳しいという話をかなり前に聞きましたが、今はどうなんでしょう。展覧会で待ったかけるくらいだから相変わらずなのかなあ。

実はカスタム品ってのは商品に手を入れたものだから、メーカーにとっては二次創作品。例えとしてはややキツくなっちゃいますがコミケとかで売ってる有名漫画を扱った同人誌と同じ扱いという見方もあるわけで(とは言うものの:開場5分で即完売の超人気作家レベルなんですが)。
同人誌と思えば規制を設ける理由はまあ、わかる。
キャラクタービジネスってそんなものなのかもしれない。

SDなどのキャストドールはウィッグ替えただけでも雰囲気ががらっと変わるし、メイク講座までやってるくらいだから二次創作に対する敷居自体が相当低い造り。
momokoの場合は「量産アート」というのがそもそものウリで、PW時代の初公開時からがんがんワンオフ品を展示していたので、これまた寛容な方でしょう。
荒木さんのユノアは未塗装でも販売してますし、手を入れて貰ってなんぼという面はかなりあると思うんですよ。
でも全部のドールがそんな風にはいかん、ていうか、いかない方が昔は普通だった。
思えばプーリップやミサキはカスタム品展示はなかった...と思う。作家さんたちの嗜好もあったでしょうが、最初から「アウト」て言われてた可能性もないとは言えない。何より、展示スペースにひとりもリカちゃんが来てないってのがそこらへんのビジネスの難しさを物語っているように思うのは私だけかな(バービーは蜜蜂けいとさんが連れ込んでましたが、人形本体はいじらないでドレスで勝負という展示でした)。
ブライスのカスタムに向かうファンの情熱はもはや無視出来ない規模なので展示だけ可、にしたのかも。

まあそういう「おとなの事情」を、ドールファンに人気がないから参加してないと思われたら若干不本意だったりもしますが(スタッフにしても撮影を制止するのは恋月姫さんとブライス系で既に手一杯だったと思います)、それにしてもこの混沌はあとどのくらい続くんでしょう。
いずれにせよ、あの場は「今しか見られない」可能性がものすごく高いものであったことは確か。
行くことができてよかったと思いました。

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追記:
あとで思い出したけど、ブライスの場合は製造販売のタカラトミー/版権元のハズブロー/窓口のCWCと、最低でも会社が3つ関わってくるので方針を統一するのが多分ものすごくタイヘンなのでは。二次創作に相当恩恵を受けているにも関わらずかなり厳しめなのはそう言った事情も絡んでくるんでしょうね。難しい.....

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