......重たい記憶
通っていた中学/高校がミッションスクールだったこともあり、ボランティア活動は学生時代に学校で企画されたものにしばしば参加しました。老人ホームのお年寄りに年賀状を書くといったささやかなものから、土曜日に養護施設に有志で慰問してお手伝い(参加したのは高校の時。この時は何故か行く人がぜんぜん集まらなくて、結局現場では友人と二人で山積みの乾いたおむつ畳んで帰って来ました)とかまで。
中1の夏、学校有志の夏休みキャンプで慰問に行った養護施設でのあれこれが忘れられません。
あまりにも重くて。
とにかく悩んで固まったまま帰途についてしまい、以来四半世紀以上、ずっと中で見聞きしたあれこれをほとんど話せなかったんですが、書きます。
幾つかの建物に分かれた知的障害者の為のグループホームのようなところだったと記憶しています。たしか終身向けの。
私たちの班が行った棟では他の手が離せない用事が残っていたのか、ちょっと待っててねと言って寮母さんは挨拶もそこそこに少し場を外したのですよ。
えー、そのほんの数分の間にふたり連続でですね、
ぱんつ履いてないでっかい男の子がぬーっと玄関先に(多分10代後半〜20行くかどうかだと思う...)。悪気はないことは様子からわかるので、誰にどう訴えたらいいのかわからずフリーズする女子中学生10人近く(記憶が怪しい)。
ここは耐えるしかと思って黙ってシゴト(まずは玄関/庭の掃除)に取りかかりましたが、私と別の持ち場に行った先輩4人くらいがその出てきた子の片方に追っかけられて思わず叫んで逃げ出し....結局彼はなんかあったなと察した寮母さんに「ごめんなさい」をさせられました。
まぁその対応で正しかった...ですね。いま思うと。
でも彼はなんで「ごめんなさい」だったのか、いまいち判ってない顔をしてました。実は彼はさっきぱんつ履かないで玄関に出てきたんですって話すべきだったんでしょうが、私たち全員パニクった気持ちの方が先に立ってしまって結局言えなかったんですよ。
ごめんね。
(補足:この「ふたり連続でぱんつ履かないで出て来た」の前に、多分寮母さんのリアル息子と思われる小さい子〜4つくらいかな〜がぱんつ履かないでとてとてとてっと出て来たのですよ。でまぁ「やだー、もうー」みたいな感じで若干騒いだのを「ウケた」と勘違いし、自分もウケを取ろうと出て来てしまった可能性大)
午後は体育館のようなホールで親睦会。
子供向けのゲームなどをいろいろと企画してました。
概ね楽しい時間をお互いに過ごせたのですが、年配の子が意外と多い。あと、知的障害者って言うとぱっと思いつくのはダウン症とかかもしれませんが、そう見えない人も多かった(一例として、産まれた時にあたまを怪我したのが原因で障害を負った子の話をあとで引率教師から聞きました)。
その中に、午前中行った棟の子だったと思うんだけど結構もう白髪まじりのかわいい子が居て、何回か目が合った時ににっこり笑いかけてくれたのですね。ええと、よしこちゃんって名前だった(いま思い出した)。
会が終わる頃、彼女が私の方に身を乗り出して来て手を差し出した。
握手。
「また来てくださいね」て言われました。
....ごめんよよしこちゃん、あれから結局そこには行けなかった。キャンプはたしか次の年もあったと思うんだけど、行かなかったということは多分クラスで行く園芸合宿の日程と近かったか被ったかしちゃったんだろうなあ。
障害児の話になると、どうしても私はよく報道されているような小さい子達ではなく、あの時に行った施設で出会った「おっきい子供たち」のことを思い出します。
みんな、どういう経緯であの場所に来たんだろう。何を思って生活していたんだろう。そして支えているスタッフの人達はどんな思いで綺麗ごとではすまない日々を送っていたんだろう..と。
それこそ、女の子で言えば生理から更年期障害まで付き合う訳で(がんセンターで知力障害の患者がスタッフに連れられて乳腺外科を受診しに来たのを見かけたことがあります)。男子に至っては力も強いしもっといろいろタイヘンであろうことは、まぁ目撃しちゃったので察しがつきます。
でも、そのへんの「綺麗ごとではすまないところ」って、何て言うかみんなないことにされちゃってますよね。現場ではそうはいかない筈なのに、ほんとにそれでいいのかな。
あれ、ボランティアから話がズレちゃいましたね。
しかし、最初にそう言う(結果的に自分にとってはだけど)重たいボランティア体験をやったもんで、どうしてもその施設での数時間が思い浮かびますね。そう言えばその頃の学校ではやたらと障害児や重い病気の子(筋ジストロフィーとか)の話を聞かされましたが、そういう時代だったんでしょうか。それとも、自分達が将来そういう子供と関わる可能性を見越していろいろと見聞を深めさせられていたのかなあ。...そう言えばその施設には、慰問を引率して行った教師のひとりと関わりの深い子(近所に住んでいた幼なじみ。もちろんもうおばちゃんでした)が入所していました。
自分の子供はいまのところ五体満足に育ってます。
が、出産前診断(高齢出産だったので)とか、*か月検診とか、子供の成長と障害について考える場は何度も通り抜けてきました。
ほんとはそういう方向だけではない行動の筈の「ボランティア」という単語を聞くと、私はあの真夏の1日を思い出します。
ブログネタ: ボランティアに参加したことある?
« 大人買い初体験の時かなぁ | トップページ | それはリセット »
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- Nest(巣)(2014.08.05)
- 2匹放すのは初めてだったかな(2013.05.31)
- ふたまわりもあっという間(2013.05.26)
- ちょい育児疲れってゆーか(2013.05.17)
- 軽くはっちゃけたり(2013.05.15)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント