ゼンブ読み返してました、「Snow white」
なんかなあ。
カナさんが亡くなられたのが悲しいのもあるのだけど、何度読んでも彼氏の先生の亡くなり方がしっくり来ないのよ。なんでこんなことにって。
実は、先生が亡くなるちょっと前(2か月くらい前のことになるかな)、気になる事件が起こってて、ずっとそれが心に引っかかってます。
彼女の下宿先に差出人不明の封筒が届いたのがことの始まりで。
なんと、カッターの刃が仕込んでありました。
どうやら先生のことが好きな誰かが思いが叶わないやるせなさの矛先を彼女に向けたようで、何故下宿先の住所がわかったんだろう...と思ったら、その誰かが「同窓会をやるから」と言って彼女の家族から電話で聞き出していたことが判明。
ほどなく、今度は中傷の手紙と一緒に、ミカン箱いっぱいのおもちゃのクモ(ビニールのぷらんぷらんするアレね)が宅配便で届いた。ナカミを疑わずに開封させるために彼女の親の名前を差出人にして。
...えー、犯人、宅配の控えをうっかり捨てずに置いたのがきっかけであっさり先生にバレました。
先生の同僚でした(つまり学校の先生...)。
カナさん在学中に先生に告って振られてたんですが、先生、もうそういうのはすっかり終わったと思って、普通に自分の恋人のこととか話してたらしいんですよ。それはあかんってば(先生が元生徒と付き合ってるのは公然の秘密状態でした)。
詰問されて返って来た台詞が、
「あなたのことが好きだから...」
このようなことがまた起きたら彼女に被害届を書かせると言われ、好きな相手に軽蔑されて終わってしまいました。
片思いこじれまくりです。
むう、と思ってたら、ダンナが持って帰って来た本に興味深い話が。
アンデルセンの「人魚姫」の考察で。
悲しい話だけど誰も悪くないのに、て。
魔女は仕事の依頼に応えただけ。
王子は海辺に打ち上げられたあと、全快するまで介抱してくれた隣国の王女と身分相応な恋をしただけ。
人魚姫のお姉さん達は妹が海の泡になって消えてしまうのが悲しくて魔女にお願いしただけ。
結局、人魚姫は、王子を手にかけて以前の自分に戻るという選択ができず(元に戻っても王子を愛しながらも殺した記憶と罪の意識はずっと自分を苦しめるでしょうし)、海の泡となって散ったのですが、もし姉たちから貰った魔法のナイフで王子を刺してしまったとしたら。
この同僚の先生の話にダブるんですよ、なんとなくだけど。
考えたって不思議ではないですよね。
もう思いは叶うことはないのに毎日顔を合わせるのは辛すぎる、いっそのこと彼が自分の目の前から消えてしまえばいいのに、って。
先生の事故は車の運転中にトラックと衝突したものですから、実際にはその同僚の先生は全く関係ないんですが、でもずっと苦しみ続けるんじゃないかと思う。
図らずも私は「王子様が刺されたあとの世界」をかいま見てしまったのかもしれません。
.....という考えに思い至った頃には王女様も彼岸の人。
ああ、もっと早くに太田光代さんの本に出会いたかった。
合掌。